「KLを選んだ理由」の裏側:フィリピン生活で「大変だったけど、これだけは最高だった」3つの価値

デュアルマムの日常

はじめに:それでも私たちは、また海外に挑戦する

前回の記事で、フィリピンでの生活費が高騰した経済的な現実や、医療・治安の不安など、子連れ移住のネガティブな側面を包み隠さずお話ししました。

おそらく読者の皆さんはこう思っているでしょう。

「あんなに大変な思いをしたのに、なぜまた海外(クアラルンプール/KL)に挑むのか?」

その疑問はもっともです。

しかし、ネガティブな経験の裏側には、お金では決して買えない、かけがえのない価値があったこともまた事実です。

私たちは、フィリピンで「失敗」ではなく「教訓」を得ました。この教訓こそが、KLでのデュアルライフ成功に向けた、最も強力な「学習能力」であり「設計図」なのです。本記事では、不安を上回るフィリピンでの3つの最高の価値に焦点を当て、「それでも海外生活がやめられない理由」を語ることで、KL挑戦の動機を明確にしたいと思います。

1. ネガティブの再定義:「失敗」は「KL成功の設計図」になった

私たちはフィリピンでの経験を、決して「諦め」や「挫折」で終わらせません。全ての不安を具体的な課題として分析し、KLでの成功に向けて再定義しました。

フィリピンでの不安・失敗得た教訓KLでの解決策(挑戦)
高額な生活
(物価安は幻想)
譲れないラインを守るには、現地で稼ぐ力が必須。AIビジネスTCGビジネスを立ち上げ、円以外の収益源を確保する。
医療の不安
(オペレーションミス)
命の安全と直結するサービスは、高額さではなく、品質が安定しているインフラ(国・地域)を選ぶべき。医療ツーリズムが盛んなKLで、質の高い私立病院を徹底的にリサーチし選択する。
治安・品質の不安
(野良犬、時間ルーズ)
場所選びこそがQOL(生活の質)を左右する。モントキアラなどの日本人コミュニティがあり、インフラが安定したエリアを選ぶ。

これらの課題を解決する可能性が高い場所こそがKLであり、フィリピンでの経験が、KLでの成功の実現性を高めているのです。

2. お金で買えない価値①:劇的な「子どもの適応力と自信」

フィリピンでの約1年間で、子どもたちが手に入れた「お金で買えない才能」。それは、異文化の中で自分らしさを見つける力です。

日本では成績もごく普通だった長男ですが、プライベートスクールでは算数が常に学年トップ。計算の速さと正確さで、クラスメイトから「教えてほしい」と頼まれ、先生からもサポート役を任されました。

この経験は、長男に大きな自信と喜びを与えました。

「相手に理解してもらわないと教えられない」という環境に置かれたことで、長男は必然的に相手が理解できる英語を話そうと意識し始め、コミュニケーション能力が格段に向上したのです。日本の常識では埋もれていた算数の才能が、海外という土壌で花開いた瞬間でした。

さらに、この地で子どもたちは、「日本という国が世界でどれほど信用されているか」を知りました。

サッカー部では、日本では2軍だった長男が「キャプテン翼君」扱い。彼が持参した日本のサッカー用品は現地の子どもたちにとって羨ましいもので、「どこで買えるの?」と羨望の眼差しで見られました。子どもたちは、自分たちが普段「当たり前」に使っている「Made in Japan」の価値と、それに伴う「日本の信用」を肌で感じたのです。フィリピン 教育移住 良かった点は、彼らが異文化の中で自分の居場所と自信を確立し、同時に自国の素晴らしさを客観的に認識できるようになったことだと思っています。

3. お金で買えない価値②:親も驚いた「英語力の劇的な向上」

英語力の向上は、私たちが海外生活 メリットとして最も強く実感した点です。

元々インタープリスクール卒でしたが、小学校入学後に英語を忘れかけていた長男は、入学前の1ヶ月半、毎日4コマの語学学校に通わせた後、学校生活で真のブレイクスルーを起こしました。

長男
長男

当初は恥ずかしくて沈黙していましたが、自分よりも数年前から在学していた他国の友人たちよりも、自分が英語を理解していると確信した瞬間から自信を持ち、堰を切ったように話し始めました。帰国時には、長文読解とリスニングが得意になるまでに成長。

次男
次男

 最初の2ヶ月間は人見知りのため、ひたすら沈黙。英語が理解できなくて沈黙なのでは?と不安に思われていました。しかし、担任のサポートもあり、ある日突然、心を開き、ベラベラと話し始め、担任も「こんなに英語が話せたなんて!」と驚いたほど。最後はしゃべりっぱなしで、怒られるほどに・・・

この子どもの適応力を目の当たりにしたとき、「親の都合で子どもを振り回しているのではないか」という最大の不安が、「この挑戦は、子どもたちにとって最高の成長の機会だ」という確信に変わりました。

4. 完璧主義からの解放と「真の家族の絆」の強化

フィリピンでの生活は、私自身を長年縛っていた「日本の常識」と「完璧主義」から解放してくれました。

日本では、子どものお弁当にデリバリーを使えば「手抜きママ」と見られるかもしれません。しかし、フィリピンの富裕層の子どもたちの笑えるほど適当なお弁当を見て、私は「完璧なママじゃなくていいんだ」と心底、救われました。カフェテリアで子どもが自分でメニューを選ぶ自由は、子どもの自立性を尊重するフィリピンの文化であり、「なんでもママに聞く子にはなってほしくない」という私の想いにも合致しました。

そして、この解放感と、ワンオペで危機を乗り越える中で、家族の絆が「チーム」として強化されました。

以前は仕事ばかりでしたが、フィリピンで専業になったことで、子どもたちが何に困り、何につまずき、何が好きで、友達関係はどうなっているのか、その全てが明確に分かるようになりました。日本の勉強を教えることで、彼らの学習のつまずきも理解できました。

仕事の成功以上に、親子の会話と絆が深まったこと。これが、私がネガティブを乗り越えるための最大のエネルギー源です。「パパなら不安だけど、ママだから大丈夫」と子どもたちに言ってもらえたことが、私を強くしてくれました。

まとめ:最高の経験を、次は「安全・快適」なKLで掴む

フィリピンは、私たちに最高の景色と温かい出会いもくれました。

  • スーパーの店員や警備員は、子どもたちに非常にフレンドリーで親切。一人での使いも安心でした。
  • 日本では考えられないほど安価なフルーツ天国(バナナ1kg30円!)を毎日堪能。
  • 宿泊に数万円かかる高級リゾートホテルのプールを、デイユースでリーズナブルに楽しむことができました。

フィリピンは、私たち家族に、最高の価値最大の危機の両方を与えてくれた、最高の教訓の地です。

私たちは、このフィリピンで得た「子どもの適応力、劇的な英語力、家族の絆の強化」という最高の経験を、次は「医療・治安の安定」「教育の質の安定」という新たな条件(KL)で、より安全に、より快適に実現します。

失敗を恐れず、教訓に変えて前進すること。これこそが、私たちのデュアルライフの哲学です。

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