
恥ずかしくないの?
2026年のお正月。デパートのポケカ購入列に並ぶ私に向けて、実母から放たれた冷ややかな一言が、今も耳の奥にこびりついています。
わが家の仕事始めは、パパの「ビジネスへの執念(?)」が巻き起こした、親族一同を巻き込む大騒動から始まりました。「シュリンク付きこそがお宝なんだ!」というパパの謎すぎる熱量に気圧されて、極寒の中、趣旨もわからぬまま列に並んだあの日。
正直、呆れ果てた騒動ではあったけれど、そこで再確認したこともある。
でも、カードの目利きや「日本の文化を世界へ売る」という視点には、彼なりの真剣な好奇心が見え隠れしていました。
だったら、私の役目は決まっています。
パパが「この船に乗れば、本当に新しい景色が見えるかも」と確信できるように、趣味の延長だったこの活動を、法的に守られた「逃げ場のない事業」へと昇格させること。そのために避けて通れない、2つの大きな関門に挑むことにしました。
警察署での予約と、アナログすぎる「40日の壁」
TCGを仕入れて海外へ売る。
このビジネスを日本で胸を張って続けるために、まずは「古物商許可」という旗印が必要でした。
これがもう、想像通り、アナログだったんです……。
まず、書類を取り寄せるために本籍地と郵送でやり取り。オンラインでサクッと済ませたい私にとっては、レターパックを用意する段階で「うわ、めんどくさい……」の波が何度も押し寄せます。
実績がないと登録できないサイトに足止めを食らったりと、リサーチ段階ですでに前途多難。これは仕方ない…(笑)
意を決して警察署へ電話し、予約を取って窓口へ。準備を万端にしたおかげで手続きはスムーズでしたが、最後に担当者さんがさらっと言った一言に、思わず遠い目になりました。
「許可が下りるまで、事務手続きに40日以上かかります」
40日の空白期間 この間、本丸であるeBayの登録も本格的には進められません。
世界を相手に「外貨を稼ぐ」というスピード感に対して、日本の行政手続きのゆっくりペースは健在。
山のようなレシートが語る、現実の重み
もう一つの関門は、家じゅうに散らばった「趣味の残骸」を「事業の資産」へと整理する、泥臭い作業です。
引っ張り出してきた膨大な仕入れレシートの山。「これは経費、これは……どこで買ったっけ?」と一枚ずつ仕分け、購入価格を帳簿に刻んでいく。華やかな海外ビジネスのイメージとは程遠い、地味で孤独な戦いです。
けれど、数字の羅列と向き合ううちに、不思議な感覚が芽生えてきました。「なんとなく楽しそう」だったポケカ販売が、一円の重みを持つ「仕事」へと、指先から変わっていくような感覚。
着々と足場を固める私の姿を見て、パパの眼差しに少しずつ「尊敬」が混じり始めた気がします。
今のパパは、会社での責任が重くなるにつれて、ふとした瞬間に「自分は何のために、いつまでこの生活を続けるんだろう?」という、かつての私がいた場所と同じ葛藤の中にいます。
そんな彼にとって、私が準備している「どこでも稼げる基盤」は、小さな、でも確かな希望の光に見え始めているのかもしれません。
守りを固めた先に、見えてきた景色
古物商の許可を待つ間、私たちのビジネスはまだ長い助走の最中です。でも、法的基盤を整え、帳簿を整理し始めたことで、漠然としていた「2.5年後の理想」が、少しずつ手触りのある現実に近づいてきました。
私がこの「守り」を完璧に仕上げることが、揺れ動くパパ、そして子供たちの未来を支える、最強のセーフティネットになる。
そんな確信が芽生え始めた頃。実は、並行して進めていた「税金」や「収支」のシミュレーションが、私たちの『移住先』の優先順位を大きく揺さぶり始めていました。
「絶対にマレーシア(JB)が正解」だと思い込んでいた私たちの前に、ふと現れた別の選択肢。
次は、わが家が直面した「現実的なお金の話」と、そこから始まった拠点選びの大きな方向転換について、お話します。



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