【治療レポ】TMS治療4回目後の診察:32回の挑戦で見えた「脳の現在地」

教育移住ジャーニー

冬休み、そして年末。

世間がお正月準備の買い出しや大掃除で慌ただしく動く中、私たちは息子を連れてクリニックへ向かいました。

全32回の工程のうち、今回は4回目を終えたタイミングでの定期診察。

自由診療という、いわば「正解の保証がない領域」への投資。

領収書に印字された金額を直視するとき、親として何を思い、そして息子にどんな「微細な」変化が起きているのか。

今日は、きれいごと抜きで今のリアルを書き残しておこうと思います。

脳の波形より、彼の「すっきりした」という言葉

今回の診察は、脳の波形を撮り直すような大掛かりなものではありませんでした。問診が中心で、副作用がないかを確認しながら進めるステップ。

正直、親としては数値化されたデータで安心したい気持ちもあったけれど、それ以上に心に響いたのは息子の言葉でした。

長男
長男

治療を受けた後は、いつも頭がすっきりした感覚になるんだ。気分もいいよ。

先生の前で少し照れくさそうに、でもハッキリと言ったその一言。 先生は「それこそが、大きな効果の一つですよ」と優しく頷いてくれました。

客観的なデータも確かに大切。でも、何より本人が「脳が軽くなる」というポジティブな実感を持てていること。それが、この長い治療を続けていく上での一番のガソリンになるんだなぁと感じています。

100回の注意より、1回の治療?

「劇的な変化」なんて、魔法みたいなことはすぐには起きない。 そんなことは分かっていたつもりでした。 でも、わが家にとっては「歴史的な一歩」と言える小さな変化が、ふとした瞬間に舞い込んできたんです。

これまで何百回、いや、何千回注意してきたでしょうか…(涙)

わが家のリビングには、いつも「放置されたノートPCとキーボード」が鎮座していました。 使い終わったらシャットダウンする。決まった場所に片付ける。 そんな当たり前のことが、彼にとってはエベレストに登るくらい高いハードルだったんです。

  • ふと気づくと、PCがシャットダウンされている
  • キーボードと一緒に、定位置に片付けられている
  • 「なんとなく」で動けている

「あれ、片付けたの?」と聞くと、「うん、なんとなく」と素っ気ない返事。 その何気ない会話の裏側で、私は心の中で思いっきりガッツポーズをしていました。

勉強を始めるときの、あの重たかった「気持ちの切り替え」も、以前よりスムーズになった気がします。「頭がすっきりしているから、動ける気がする」という本人の言葉に、嘘はないのだと思います。

高額な治療費をどう捉えるか:これは「習い事」か「投資」か

自由診療の領収書を受け取る瞬間。 ……正直に言いますね。一瞬、指が止まります(笑)。

「これで本当に変わるのかな」という不安が、1ミリも無いと言えば嘘になります。

でも、ふとこれまでの歩みを振り返ってみたんです。 彼が幼少期に通ったインターナショナルスクールの学費 、その後のアフタースクール、そしてこれから計画している海外留学の費用

それらの「教育投資」というものさしで測ってみたら、この治療費は決して突出したものではないのかもしれない、と思えてきました。

英語を習う。ITスキルを身につける 。 それと同じように、「自分の脳のパフォーマンスを最適化する」というスキルを身につけさせてあげる。 これは一つの「習い事」なんだ。そう自分を納得させてからは、支払う時の心のざわつきが、少しずつ「期待」へと変わっていきました。

年末のクリニックで見つけた「小さな世界」

年末のクリニックで、私たちはある光景に驚かされました。 待合室は、わが家と同じような小中学生から20代くらいの若者で溢れていたのですが、その3割近くが海外(特に中国の方々)からの患者さんだったんです。

通訳さんを伴って、長期休暇を利用して日本に滞在し、5日間連続で治療を受ける。 そんな「集中トレーニング」を1年半かけて繰り返す親子が、世界中からここを目指してやってくる。

わざわざ海を越えてこの治療を求める人たちの熱量に触れ、「それだけ価値のある挑戦なんだ」と、背中を押された気分でした。

何より、息子自身が「自分だけじゃないんだ」と安心した表情を見せたこと。 それが今回の最大の収穫だったかもしれません。 同じ「生きにくさ」を抱え、それでも前を向こうとしている仲間がこんなにいる。 孤独な戦いではないと知った彼の瞳には、少しだけ強さが宿った気がします。

まだ始まったばかりの、32回の旅

1年半かけて続く、32回の旅路。 今はまだ、ピチューが少しずつレベルアップしている最中かもしれません。

「進化」の過程は、きっときれいな右肩上がりではないでしょう。 良くなったり、また戻ったり。 一歩進んで二歩下がるような、試行錯誤の連続になるはずです。

でも、私たちは焦りません。 3年後のジョホールバル 。 そこには、今よりもっと自由に、もっと自分らしく笑っている彼がいる。 そう信じて、一歩一歩、この「脳の現在地」を記録していこうと思います。

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